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決算書を社員に見せない理由とは?

決算書を社員に見せない理由とは? コラム

あなたは決算書を社員に見せていますか?経営状況を知られるのが怖くて、つい隠したくなりますよね。

でも実は、決算書の開示には社員のモチベーションアップなど、会社にとってメリットがたくさんあるんです。

どんなメリットがあるのか、どのくらい開示すればいいのか、開示する際の注意点は何か。そんな疑問にお答えします。

経営者の不安を解消しながら、決算書を活用して会社をもっと良くする方法を一緒に考えていきましょう。

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決算書を社員に見せない理由とその影響

① 役員報酬や給与情報の懸念

経営者は自分の役員報酬額が社員に知られるのを嫌がります。高額だと知られれば、不満や批判を招く恐れがあるためです。

同様に、経理担当者や幹部社員の給与額が他の社員に知られると、社内の待遇格差が明らかになって不和のもとになりかねません。

役員報酬や幹部の給料は会社の機密情報です。それを社員に開示することで社内の人間関係に悪影響が及ぶことを、経営者は懸念しているのです。

② 経営状況の誤解や不安

決算書を見せると、売上や利益の数字から経営状況を誤解されるおそれがあります。業績が芳しくない時は特にそうです。

経営の実情を知らない社員には、決算書の数字だけでは会社の現状が正しく理解できないことがあります。赤字決算や売上減少を見て会社の先行きを不安視し、いらぬ心配をするかもしれません。

決算書の開示によって、かえって社員のモチベーションが下がり、仕事への集中力が損なわれることを経営者は恐れているのです。

③ 機密情報流出のリスク

会社の決算内容は外部に漏れてはならない重要な機密情報です。決算書を社員に見せることで、情報漏洩のリスクが高まります。

悪意のある社員が競合他社に情報を横流しするケースは考えにくいですが、うっかり口外して知られてしまう可能性は否定できません。飲み会での会話やSNSへの書き込みなどで、うかつに決算情報がもれる危険性があるのです。

機密保持の観点からも、経営者は社員への決算書の開示に消極的なのでしょう。情報管理の徹底は経営者の重大な責務だからです。

株式会社の場合、会社法においてその規模に関係なく「決算公告」を行うことが義務となっています。しかし、実際には多くの中小企業がこの義務を果たしていないのが現状です。

決算書を社員に見せるメリットと税理士のおすすめ

① 生産性向上への意識改革

決算書を見せることで、社員に会社の生産性を意識してもらえます。人件費と売上の関係など、数字を示せば社員も納得しやすいでしょう。

社員が生産性向上の必要性を腑に落ちて理解すれば、仕事の進め方を改善する意欲も湧いてきます。ムダをなくし、効率を高める工夫を自発的に考えるようになるかもしれません。

経営者の思いを伝えるだけでは社員の意識は変わりにくいものです。決算書を見せて経営実態を知ってもらうことが、社員の意識改革のきっかけになります。

② 経営課題の共有

経営者が掲げる経営課題は、根拠のない精神論に聞こえて社員には伝わりにくいことがあります。決算書によって経営課題の背景を数字で示せば、社員の理解と納得が得られやすくなります。

社員が経営課題を自分ごととして捉えるようになれば、課題解決のために部署の垣根を越えて協力し合う意識も生まれてくるでしょう。結果的に組織の一体感が醸成されていきます。

ただし、そのためには経営者が自ら率先して決算書の見方を説明するとともに、数字の意味について丁寧に解説する必要があります。努力を惜しまずに社員と向き合うリーダーシップが求められます。

③ 部分的な開示のメリット

決算書の全てを見せるのは抵抗があるという経営者は多いでしょう。それでも、一部の数字だけでも開示する価値はあります。例えば、社員一人当たりの売上高や利益額など、社員に身近な指標を示すことをおすすめします。

個々の社員の頑張りが会社の業績にどれほど貢献しているかを実感できれば、仕事へのやる気アップにつながります。自分の働きが数字に表れているという意識は、社員の向上心を刺激するはずです。

決算書の全体を開示することに抵抗がある場合、従業員一人当たりの数値を算出して共有する方法があります。これにより、会社全体の規模感を秘匿しつつ、従業員に生産性や経営状況を理解してもらうことが可能です。

税理士が提案する効果的な情報開示の方法

① KPIの設定と共有

社員にとって身近でわかりやすい業績指標(KPI)を設定して共有しましょう。部署ごとに目標KPIを定め、定期的に達成度を確認する機会を設けるのです。

売上目標や利益率、コスト削減率など、経営課題に直結したKPIを用いることで、社員の問題意識を引き出せます。自分たちの目標数値が決算書のどの数字に結びつくのかを意識させることが大切です。

数字に基づいたPDCAサイクルを社員と一緒に回していくことで、社員の当事者意識が醸成されていくはずです。

② 視覚資料での説明

決算書をそのまま見せても社員には難解でしょう。グラフや表などのビジュアル資料を活用して、専門用語を使わずにやさしく説明するのが有効です。

社員の関心を引く内容に焦点を絞って、図解を中心に視覚的に訴求します。一方的に数字を羅列するのではなく、社員との対話を重ねながら疑問点を丁寧に解きほぐしていきましょう。

また、会社の将来像について語るのも大切です。決算書から読み取れる経営の方向性を社員と共有することで、仕事への意欲を引き出すことができるでしょう。

③ 定期的な情報共有の場

年に一度の決算説明会だけでは物足りません。少なくとも四半期に一度は業績の進捗状況について社員に説明する場を設けましょう。経営状況を適時適切に開示することが、風通しのよい組織風土の醸成につながります。

全社員を集めた説明会の開催が難しいようであれば、部門長などの幹部社員への説明機会だけでも設けることをおすすめします。そこで共有された情報がトップダウンで末端の社員にまで浸透していく仕組みを作るのです。

従業員からの決算書開示の要求に対しては、法的な開示義務はありません。ただし、株主や債権者からの正式な請求があった場合には、開示が求められます。

決算書を社員に見せないことのまとめ

決算書を社員に見せないことには、役員報酬への不満や経営状況の誤解、機密情報流出のリスクなどの懸念があります。

しかし、生産性向上への意識改革や経営課題の共有など、社員に決算書を見せるメリットは大きいのです。

全てを開示する必要はなく、従業員一人当たりの数値など、部分的な開示でも効果が期待できます。開示の際は、KPIの設定、視覚資料の活用、定期的な情報共有の場を設けるなどの工夫が有効でしょう。

決算書は会社の重要な情報ですが、うまく活用することで、社員のモチベーションアップや会社の発展につなげることができるのです。

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