確定申告の間違いに気づいた時、税務署から連絡はくるのでしょうか?
確定申告の内容に誤りがあったとしても、すぐに税務署から指摘されるとは限りません。
明らかな計算ミスや書類の不備は早期に連絡が来る可能性が高いですが、個々の所得金額や控除の適用の誤りなどは見落とされがちです。
でも、もし間違いに気づいたら自主的に修正申告することが大切。放置すればペナルティが増えるばかりです。
この記事では、確定申告の間違いへの対処法を詳しく解説します。あなたの確定申告は大丈夫ですか?正しい申告で、無用なトラブルを避けましょう!
>>千代田区 税理士
確定申告で間違いがあったら連絡はくるのか?
税務署からの連絡が来るケースと来ないケース
確定申告で間違いがあっても、必ずしもすぐに税務署から連絡が来るわけではありません。明らかな計算ミスや必要書類の不備などは早期に指摘される可能性が高い一方、個々の所得金額や控除の適用の誤りなどは一目では気づきにくく、すぐには連絡が来ないケースが多いです。
また、本来の税額より多く納税していた場合、税務署からの指摘や連絡は基本的にありません。控除の申請漏れや経費の計上漏れなどで余分に税金を払っていたとしても、自ら還付申告を行わない限り返金されることはないのです。
税務署からの連絡が来るタイミングは、申告内容と他の資料との照合や分析が行われた後になります。疑わしい点が見つかれば、その後の税務調査で詳しくチェックされることになるでしょう。調査が入る場合は事前に通知があるため、いきなり家に来られるようなことはありません。
間違いに気づいたときの自己対応の重要性
確定申告の内容に誤りがあると気づいたら、税務署からの指摘を待たずに自ら修正することが重要です。過少申告の状態を放置すればするほど、ペナルティとして延滞税や加算税が増えていくからです。
一方、納め過ぎていた税金を取り戻すには、還付申告や更正の請求といった手続きが必要です。期限内であれば比較的簡単に対応できますが、期限が過ぎてからでは原則として法定申告期限から5年以内に請求しないと返金されません。
確定申告の際はよくチェックし、ミスがないよう慎重に申告することが大切ですが、万が一間違いがあったとしてもなるべく早く自主的に訂正しましょう。税務署から指摘されるまで放置すると、余計な税負担を強いられることになります。
確定申告の間違いに対する訂正・修正申告の方法
訂正申告とは?
訂正申告とは、確定申告の期限内に誤りに気づき、修正を行う手続きのことです。所得税の確定申告期限である3月15日までであれば、新しい申告書を提出することで訂正が可能です。
期限内に2つ以上の申告書が出された場合、税務署では新しい方を正式な申告として扱います。訂正申告の際は「訂正申告」である旨と、訂正が発生した申告日、訂正前の税額などを余白に明記し、間違えた箇所を正しく直して提出します。なお、令和4年分以降の修正申告には申告書第五表(修正申告書・別表)は使用しません。
ただし、確定申告期限内でも還付申告を行い既に還付金が支払われていると、通常の訂正申告では対応できないケースがあります。その場合は還付金の精算手続きが別途必要となるため、管轄の税務署に相談するのがよいでしょう。
修正申告の手順
一方、確定申告の期限を過ぎてから申告内容の誤りに気づいた場合に行うのが、修正申告です。本来納めるべき税額より少ない申告をしていたら、できるだけ早く修正申告によって不足分を納税することが求められます。
修正申告では、通常の確定申告と同様に申告書を作成します。第一表の余白部分に「修正申告」と書き、種類欄で「修正」に〇をつけるのがポイント。修正箇所とその理由、修正前後の税額差などを記入して提出します。
期限は特にありませんが、修正が遅れるほど延滞税が増えるため、気づいたらすぐ対応しましょう。なお、法定申告期限から5年を超えると、更正の請求による払い戻しもできなくなってしまいます。
更正の請求とは?
確定申告で本来より多く納税してしまっていたことが、期限後に判明した場合に行うのが更正の請求です。更正の請求では「所得税及び復興特別所得税の更正の請求書」を作成し、税務署に提出する必要があります。
更正を求める理由として認められるのは、医療費控除や社会保険料控除の計上漏れ、必要経費の計上漏れなど、客観的な証拠に基づくものに限られます。税務署の審査を経て、請求が認められれば払い過ぎていた税金が還付されることになります。
更正の請求期限は、原則として法定申告期限から5年以内です。請求が通らなかったり、追加書類の提出を求められたりすることもあるため、記入内容や証拠書類は慎重に準備しましょう。
e-Taxでの修正申告
修正申告はe-Taxでも可能です。更正の請求と同様に、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」を利用すると、画面の案内に従って金額等を入力することで、税額などが自動計算され、更正の請求書や修正申告書が作成できます。
e-Taxの場合、元々入力した申告データを開いて修正箇所だけ書き換えればOK。税額計算も自動で行われるため、計算間違いの心配がありません。修正申告した旨を改めて税務署に連絡する必要もなく、スムーズに手続きを行えます。
作成したデータは、電子申告(e-Tax)や印刷して税務署に郵送等で提出することが可能です。オンライン化で確定申告の敷居が下がっています。
確定申告の間違いに対するペナルティとその回避方法
過少申告加算税の条件と税率
本来納めるべき税額より少ない申告をしていたことが、税務調査で発覚すると過少申告加算税が課されます。税務署からの調査の事前通知の後に修正申告をした場合、新たに納める税金のほかに、その税額の10%の過少申告加算税がかかります。ただし、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超える部分については15%の割合になります。
一方、自ら修正申告をした場合には加算税は発生しません。税務署から指摘される前の早期の対応が、ペナルティを抑える上で有効といえるでしょう。
無申告加算税の概要
所得があるのに確定申告をしていなかった場合に課されるのが、無申告加算税です。「申告が必要だと知らなかった」では済まされず、本来の納税額に対して15〜20%の割合で加算税が発生します。
しかも、過去5年以内に無申告加算税を課されていたり、前年分も無申告だったりすると「無申告を繰り返す」とみなされ、税率は25〜30%にまで跳ね上がります。さらに、納税額が300万円を超える部分には40%もの重い税率が適用されるのです。
申告漏れを指摘する連絡が税務署から来たら、速やかに申告・納税を行いましょう。放置すればするほど、ペナルティは大きくなる一方です。
重加算税の対象ケース
さらに悪質な税逃れを行った場合、通常の加算税ではなく重加算税が課されることがあります。所得を隠すための証拠隠滅や申告内容の改ざんなど、明らかに故意に脱税を図ったと税務署に判断されるケースが対象です。
重加算税の税率は、無申告の場合で35〜45%、過少申告で40〜50%。悪質な無申告を繰り返していると、実に納税額の半分に相当する加算税を支払わなければならないのです。
重加算税は、調査前の自主的な修正申告でも軽減されません。脱税や申告内容の偽装は、絶対にやってはいけない行為だといえるでしょう。
延滞税の計算方法
期限を過ぎてから未納税額が発覚した場合、加算税とは別に延滞税も課されます。延滞税の利率は、納期限の翌日から2ヶ月までは年2.4%(令和5年1月1日以後)ですが、それ以降は年8.7%(令和5年1月1日以後)となります。
延滞税は、法定納期限の翌日から完納する日までの期間についてかかります。日数が経つほど延滞税は増え続けるため、可及的速やかな納付が肝要です。詳しい延滞税の計算方法については、国税庁の『延滞税の計算方法』をご覧ください。
ただし、法定申告期限から1年以上経過後に自主的に修正申告した場合は、申告日から遡って2ヶ月間のみ延滞税が課される等の特例があります。税務署から指摘される前の自主的な是正が、ここでも重要になってきます。
自主修正でペナルティを軽減する方法
以上の通り、確定申告の誤りを放置するとペナルティが大きくなる一方ですが、自ら進んで修正することで加算税や延滞税を減らせる場合があります。
税務署から指摘される前に自主的に修正申告すれば、過少申告加算税はかかりません。延滞税についても、1年以上経過後の自主的な修正申告なら特例により大幅に減額できるのです。
一方、期限内の訂正申告であればそもそもペナルティは発生しません。また、納め過ぎていた分は更正の請求で取り戻せる可能性も。確定申告後もしっかりチェックし、間違いがあればなるべく早期の是正を心がけましょう。
もし税務調査があると告げられても、調査前に自主的に申告すればペナルティの軽減につながります。アドバイスが必要なら、税理士に相談するのもひとつの方法です。
確定申告で間違いを防ぐためのポイント
よくある間違い例
個人が確定申告を行う際、間違いが起きやすいのは主に控除の適用と申告漏れです。
医療費控除の対象を誤解している、生命保険料控除の対象外の保険を含めている、配偶者控除の金額を所得ではなく収入で判断しているなど、さまざまな所得控除の要件を正しく理解していないために起こるミスが目立ちます。
また、副業収入やネット取引の利益、FXや暗号資産の利益など、本業以外の所得を申告していないケースも散見されます。確定申告が必要ない、あるいは税務署に把握されないだろうと高をくくるのは禁物。脱税の疑いをかけられるリスクがあります。
一時的な所得である生命保険の満期返戻金や懸賞の当選品なども、申告漏れの多い項目。日頃から確定申告が必要な所得はないか、こまめにチェックしておく必要がありそうです。
住宅ローン控除時の注意点
住宅ローン控除を受ける際は、1年目の確定申告を忘れずに行うことが重要です。住宅の取得時期にかかわらず、入居後の最初の年末調整や確定申告で控除を申請しないと、2年目以降は控除が受けられなくなるおそれがあるからです。
特に毎年確定申告をしている個人事業主の場合、1年目に申告しないと更正の請求が認められず、控除を受けられなくなる可能性が高いとされています。うっかり申請を忘れないよう、十分な注意が必要でしょう。
2年目以降、住宅以降、住宅ローン控除は年末調整で行います。必要書類は「住宅借入金等特別控除証明書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の2つ。これらを勤務先に提出すれば手続き完了。自営業者など確定申告が必要な人も、同じ書類を申告時に添付します。
医療費控除の正しい申告方法
医療費控除では、治療目的の通院費や入院費、医薬品代などが対象だが、美容目的の医療費、自由診療の差額ベッド代、通通院交通費などは対象外。合計から保険金などを差し引き、10万円か所得の5%を引いた金額が控除額(上限200万円)。生計を一にする親族の医療費も対象に含められる。
ふるさと納税申告時のポイント
ふるさと納税は、確定申告不要なら「ワンストップ特例制度」で申請書を寄付先自治体に送るだけ。一方、確定申告が必要な人は確定申告で寄付金控除を申告しないと控除されない。医療費控除や住宅ローン控除を申請する年もワンストップ特例は使えないので注意。
税務署からの連絡が来た場合の対応方法
税務調査の基本と流れ
税務調査は申告内容の間違いを確認する調査で、一部例外を除き事前通知される。脱税への調査と定期的な調査の2種類あり、悪質度が高いほど徹底的に調べられる。単純ミスなら電話や文書での照会で済むことが多い。冷静に対応することが肝要。
税務署からの指摘への対応方法
指摘内容を確認し、単純な計算間違いや書類不備なら修正申告や追加提出で解決できることが多い。申告漏れによる修正申告は早めに対応を。故意の過少申告は重加算税の可能性も。不正申告は厳禁。
税理士相談の重要性
対応に不安があれば税理士に相談を。適切な修正申告の方法や調査対応をアドバイスしてもらえる。申告に不安や複雑な所得状況なら、税理士のチェックでミスを発見し、ペナルティリスクを減らせるかもしれない。速やかに誠実な対応を心がけよう。
確定申告の間違いに関するQ&A
間違いに気づいたら修正すべき?
A. 税務署から指摘される前に自主的に修正申告するのがベスト。修正が遅れるほど延滞税増加やペナルティ拡大のリスク。期限内なら訂正申告で対応を。
少額の間違いでもペナルティは発生する?
A. 税務署指摘なら少額でも過少申告加算税が課される。自主的修正申告ならペナルティ発生せず。放置で数年経過するとリスク増大。早期対応推奨。
修正申告後に再び間違いに気づいた場合の対応
A. 再修正の申告可能。申告書は新たに作成し修正申告と明記して提出。修正重ねるほど手間増えるので、最初の申告時の入念なチェックが肝要。
確定申告のミスは些細でも放置すれば大損につながりかねない。間違いに気づいたら速やかに対処し、不安なら専門家に相談を。賢明な対応を心がけよう。
確定申告の間違いへの対処法のまとめ
確定申告で間違いがあっても、すぐに税務署から連絡が来るとは限りません。明らかなミスは早期に指摘される可能性が高いですが、所得や控除の誤りは見落とされがち。でも、間違いに気づいたら速やかに修正申告するのが肝心。放置するとペナルティが増えるばかりです。
間違いを防ぐには事前のチェックが大切。よくある間違いを把握し、慎重に申告しましょう。もし税務署から連絡があっても、冷静に対応することが重要。単純ミスなら修正で解決できることが多いはず。
確定申告の間違いは些細でも放置すれば大きな損失につながりかねません。ミスに気づいたら速やかに対処し、不安があれば専門家に相談を。正しい申告で無用なトラブルを避けましょう。
| 確定申告で間違いがあったら | すぐには連絡が来ない場合も。早期の自主的修正が重要 |
|---|---|
| 修正や訂正の方法 | 期限内なら訂正申告、期限後は修正申告で対応 |
| ペナルティの種類 | 過少申告加算税、無申告加算税、重加算税、延滞税など |
| 間違い防止のコツ | 事前チェックを入念に。控除要件の理解と収入の漏れなく申告 |
| 税務署からの連絡時の対応 | 冷静に対応。単純ミスなら修正で解決可能なことも |

